50代から出てくる不安感とのつき合い方

恐怖でしかない不安感

更年期を迎える頃から、女性は今まで感じたことのなかったさまざまな不調を感じ始めます。

女性ホルモンが減って、自律神経の乱れから精神的にも不安定になります。

今まで平気だったことが、急に強い不安に襲われて恐怖症になることもあります。

たとえば、人混みとか狭い場所に強い不安と恐怖を感じてパニック発作的な状態になってしまうとか。

私が知ってるだけでも40代後半~50代にかけて急に恐怖症が出た方が数人いますから、世の中にはきっと同じような方が大勢いらっしゃるのでしょう。

 

私は更年期になるよりずっと前の若い頃から、自律神経による様々な症状や、不安や恐怖で発作を起こしたり…ということを繰り返してきました。

周りの人たちは理解してくれているようでも、実はなかなかわかってはもらえません。

「神経質」「気にし過ぎ」で片づけられている気がします。たしかにそれはまったく的外れなわけではありませんが、本人にしてみたらそんな簡単なひと言ですむ話ではありません。もっと根深い苦しさがあるのです。

 

不安というのは一つ感じ始めると、次々と連鎖していきます。

際限なく、傍から見たら「ばかじゃないの」と思うようなことも、巨大な恐怖となってしまうこともあります。

この恐怖の不安感をやり過ごすにはどうしたらいいのか…

苦しさから逃れたくて私もいろんなことを試してきました。

 

心療内科にも行きましたし、いろいろなカウンセリングを受け、呼吸法や瞑想、自己暗示、ストレッチやツボ押し、マッサージ、不安をまぎらわせるために散歩したり、何かに没頭してみたり。泣いたり喚いたりもしました。

長い年月が過ぎても、どうすればいいという明確な答えは出ていません。

ただ、その時その時で効果的な方法が違うのも確かです。

前回は効果があったのに、今回は全然ダメということだってあります。

いつだって同じというわけではないのです。

ひどい時は何一つ楽になる方法が見つからないこともあります。

 

さまざまなことに救いを求めてきましたが、その中で私にもっとも効果的だと感じたのは「深い呼吸」でした。

よく言われていることだし、ありきたりの答えと感じるかもしれませんが。

焦りや不安が強いと呼吸が浅くて息を止めてしまいがちですが、その時って体中が緊張でコチコチです。

そこで「ふーっ」と深い呼吸をすると体の緊張が少し緩むのが実感できます。

この少し緩んだことを感じられると、あとはかなり楽になります。

 

でも私は、不安が強くなると呼吸がしにくくて、唾も飲み込めなくなるので、そんな時には呼吸に意識を向けるのは厳しかったですね。

動転していてほとんどパニック状態ですから…

そんな時は心許せる人がそばにいたなら、「苦しいことを話す」「背中や肩に触れてもらう、さすってもらう」をすると、私はとりあえずは落ち着きます。

人の癒しの力は絶大です。

 

不安がまだそれほど大きくない段階で前兆を感じたら、とにかく深い呼吸を長く長くしながら「大丈夫、大丈夫、心配ない、心配ない」とだますように言い聞かせることで、楽になれることも多かったです。

口に出して言ってるうちに少しずつ落ち着いてくればラッキーです。

 

あとは、以前に窮地を救われた時などの「あ~よかった、助かった。」という安堵感を思い出すことですね。集中してその気分を思い出し味わうことは、そう簡単なことではありませんが、これがうまくできた時はみるみるスーッと楽になります。

 

そして何より、自分の不安の原因が何なのかわかっているなら、それを解決するべく動いてみること。

行動に移せるならこんなに苦労してないわけだし、簡単なことではありませんが、何かアクションを起こした時の潔さとか腹をくくる覚悟ができた時、心が軽くなるのがはっきりとわかります。

 

病気や、死の不安と恐怖。

金銭的な不安。

人間関係や孤独感による不安。

大きな不安に向かっている時、本当につらくて苦しいものです。

でも、そこにどっぷりと浸かっていたら底なし沼のように引きずられるばかり。

出口をみつけるのに少し時間はかかるかもしれませんが、あきらめてしまわなければ必ず「救われた」と感じられる時は来るはずです。

 

疲れと睡眠不足を甘く見ない

そもそも不安でつらい思いをしている方は、きちんとした方が多いのです。

「真面目」と言われるのは決して誉め言葉に思えない感じがありますが、本来は人間として素晴らしい資質のはず。

なのに、それが「生きづらさ」となってしまうから、苦しみが生まれてしまいます。

真面目だから何事も真正面から受け止めてしまいます。

一人で大きな責任をしょい込んで…だから疲れがたまって睡眠不足になったりもします。

 

頑張っている時は、緊張感もあるので疲れも睡眠不足もさほどつらく感じません。

感じたとしても、「まだいける!」とさらに頑張ってしまいます。

これがとても危険なことなのです。

疲れと睡眠不足を続けていて、どこかで歪みが出てくるのは当然のこと。ある日突然今まで感じたことのないような症状に悩まされたりするのです。

突然大きな病気をしたり、原因不明の症状に苦しめられたり。

 

強い不安感は、体が疲れている時にほぼ現れます。

それに伴い頭痛やめまい、息苦しさ、動悸などさまざまな症状も出てきます。

日常生活に支障がないうちはまだ良いのですが、仕事や家事ができないとか外に出られない、人と会いたくないなど、今まで通りの生活ができなくなると大変ですよね。

そういったことを防ぐためにも、疲れや睡眠不足には気をつけたいものです。

軽く考えてはいけません。はじめのうちは体力もあり大丈夫かもしれませんが、無理を重ねるとある日突然不調が訪れます。

 

疲れてきたかなと思ったら、思いきって睡眠をたっぷりとるようにする。

栄養のある美味しいものを食べ、お風呂にでもゆっくり入って気持ちよく眠りにつくのです。

熟睡できないのであれば、たまにはぐっすり眠れるようにお薬やサプリメントを摂っても良いと思います。

 

しっかり睡眠をとって疲れが癒されれば、精神的にもずいぶん違います。

昨日まで不安で調子悪かったのが、すっきりして不安に意識がいかないで過ごせたりもするのです。

この「不安に意識を向けない」でいられることができたら、ほんとうに楽に過ごせるようになるのです。

 

たっぷり睡眠をとると肌の状態も違ってきます。

肌が明るくなったり、つやがあったり…鏡で自分の肌をみると嬉しくなります。

自分に対する慈しみの気持ちがわいてくるので、こんな時は表情も柔らかく優しい雰囲気を醸し出していると思います。

こんなことから何故か周りが優しくなったように思えたり、ツイてることが多くなったりと感じるものです。

 

人間は疲れたら休まなければいけない生き物なのだと、つくづく思います。

休むことに罪悪感を持たないように、自分に言い聞かせることが本当に大事です。

 

 

 

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