60歳頃から急に、いつも気が重く
「何もしたくない」「何をしても楽しくない」
「気力がわかない」
ということが増えてきます。
常に気分が晴れないのも、つらいものです。
私もそんな時期が長く続きました。
つらくて、いろんなことをしました。
休暇をとったり、とにかく睡眠をとったり、
マッサージに行ったり、買い物したり。
でもダメな時は何をしてもダメだった。
何かでごまかすのではなく、
ちゃんと原因を理解することが必要です。
無気力の原因

こんな状態から抜け出したい…
無気力を感じる原因はたくさんあります。
私達の年代は身体も心も、そして社会的にも、大きな変化が重なります。
それらが無気力感の根源となります。
心の疲れ
ストレスや精神的な疲れ
60代女性は、経済的な不安、家族や友人との関係の変化、介護の負担など、さまざまなストレスがあります。
特にパートナーの病気や死別、高齢の親の介護の問題などは、精神的負担が大きいです。
そこから自身の健康に対する不安が大きくなり、無気力を引き起こしてしまいます。
これらのストレスが、うつ病や不安障害のリスクを高めることもあります。
自律神経の乱れ
加齢により、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
この自律神経の乱れは、気分の不安定さや倦怠感を引き起こします。
これが無気力と深く関係します。
特にストレスから自律神経が乱れて、疲れやすくなります。
精神的な不調
無気力は、うつ病の初期症状である場合があります。
特に生活環境の変化やストレスが引き金となり、
以前は気にならなった事柄でも、強く無気力を感じることもあります。
また自分自身の老いを感じ、自己評価が低下して、気分が落ち込むことも多いです。
身体的な疲れ
身体の変化
加齢により身体機能も衰えます。
筋肉は減少し、体力が低下するので、日常生活に支障をきたすほどの無気力に襲われることも。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高まる年代ですが、身体的な不調から無気力を引き起こす要因になります。
ホルモンバランスの変化
閉経で女性ホルモンの分泌が減少します。
それにより、感情の波が激しくなり、無気力感が増加することがあります。
ホルモンの影響でのぼせ、不安、不眠などの症状が現れ、無気力感に拍車をかけてしまいます。
栄養の偏り
食事の偏りや栄養不足も、無気力の一因となります。
特に亜鉛やビタミンB群の不足は、エネルギーの低下や気分の不調につながります。
60代は代謝が落ちるため、栄養の吸収効率も下がります。
太りすぎに気をつけつつ、十分な栄養を摂取することは身体も心も健康を保つのに重要です。
社会的な変化
役割の変化
60代は社会的な役割が大きく変化します。
定年退職だったり、若い人に世代交代するので自己価値が失われたと感じ、無気力感が生じることがあります。
子どもが独立することも、張り合いや目的が薄れてしまい、無気力になります。
環境要因
居住環境や経済的なことも、無気力につながります。
特に一人暮らしの場合。
孤独感から、無気力感が高まってしまいます。
交友関係を増やすことで気分を変えることは可能ですが、人とつき合うことが難しい場合は無気力が続いてしまいます。
目的のなくしてしまう
年をとることで感じる現実的で厳しい変化は、目標や価値を見失ってしまうこともあります。
そんなつらさから無気力になり、長引くことも。
無気力から脱出するには

きっかけさえあれば…
無気力状態から抜け出すのは、なかなか難しいことです。
原因にもよるし、何がきっかけで気分が変わるかは自分でもわからないものです。
60代女性が無気力になる原因から、解決方法をいくつか取り上げていきます。
夢中になれるものを見つける
無気力な状態の時に、夢中になれるものを見つけるのは大変なことです。
何もしたくないし、楽しくないのだから。
ある程度は時間がかかるかもしれません。
何かを始めるにはエネルギーを必要とします。
でも興味がなかったことも、やってみたら楽しいと思えたり。
周りに励まされたり、ほめられたりすることでやる気が起きたりして、気持ちのスイッチが簡単に切り替わることもあります。
まずは自分が今までやりたかったこと。
興味を感じていたことなどを、考えてみましょう。
興味がないと続かないから。
手芸や料理、ガーデニング、音楽やダンス、運動。
語学や資格取得の勉強など何でもいい。
続けたい、楽しいと思えることが見つかれば
無気力でない時間が生まれます。
その積み重ねで視野が広がったり、考え方が変化します。
日常生活で喜びを見つけること。
満足感や幸せにつながります。
健康的な生活習慣を心がける
身体と心の健康は密接に関連します。
健康を維持することでエネルギーが湧き、気持ちに余裕が生まれます。
基本的には
・十分な睡眠をとる
・バランスの良い食事
・適度な運動
に気をつけることですが
☆瞑想など呼吸を整えること
☆サウナや岩盤浴、マッサージでリラックス
☆美容や健康に効果的なサプリメントを取り入れる
など、効果がわかるものはモチベーションが上がります。
整理整頓、断捨離をする
不要なものを処分すると、心がすっきりします。
ただ無気力だと、断捨離するまでに時間がかかります。
心も体も重く、なかなか動けません。
でも、いざ手をつけると一気にやれたりします。
気になっていたところを片付けたり
不要なものをどんどん捨てていくと
みるみる心が軽くなってきます。
生活を楽しもうという気持ちも生まれます。
悩みが解決することもあります。
自分を見つめ直す
あれこれと思い悩むと、無気力になってしまいます。
考えすぎて疲れ果ててしまう。
今の感情や行動を、見つめ直すことが大切です。
自分に対して問いかけをします。
「何が楽しくないと感じるのか」「どのように改善ができそうなのか」
心の中を探っていきます。
「何をするのが好きだったか」ということを改めて確認し、アプローチを変えてみることも有効です。
自分に向き合うのは、面倒だったり、目をそらしたいこともあります。
でも本当の自分の心を探ることを続けていると、充実感を得られるようになってきます。
無気力の根本的な原因に目を向けること。
自分に合った解決策を見つけること、が大切です。
無気力から脱出するために、行動の幅を広げることです。
口で言うほど簡単なことではないです。
無気力な時にはしんどい行為かもしれません。
でも脱出したいと思うなら、一歩を踏み出す行動をしてみましょう。
専門家の力を借りる
無気力な状態が長く続く場合、専門家の診断を受けることも大事です。
自分の状況をうまく話せないし、億劫だけど。
自力ではなかなか暗闇から抜け出せないなら
早めに病院でもカウンセリングでも、専門家の力を借りるべきだと思います。
とにかくあまり長期間自分を責めたり、我慢し続けると、追い詰められてしまいます。
「逃げていいんだ」
「誰かに助けを求めていいんだ」と
肩の荷をおろすことを最優先に考えましょう。
60代の無気力は割り切ろう
心も体も、環境も、60代は大きく変化します。
自分に厳しく上昇志向が強い人には
自分の立ち位置がすっかり変わってしまったことに傷つきます。
実感するのは自分の衰えや、周りの扱いが若い頃と違うこと。
記憶力が悪くなり、以前しなかったミスをするようになる。
自分が若くないことを、受け止めることが必要です。
受け止めた上で、あきらめばかりでなく、できることに前向きに取り組むことが大事ですね。
たまに若い人に対抗しようと、むきになる60代がいます。
仕事だけでなく、言葉遣いや、髪型、服装などもです。
気持ちはわかります。
でも、それはほとんどの場合逆効果です。
私も20代、30代の人に、小馬鹿にされたような態度をされたことはあります。
プライドが傷つけられ、情けないです。
でも、割り切ることにしました。
誰もが年をとります。
抗えないことは無駄に抵抗しない。
今自分がどうすれば「素敵な人だな」と思われるのか、冷静に賢くなって考えるようにしました。
捉え方、見方を少し変えることで、楽になります。
健康を維持し、「楽しめる」「行動できる」元気な自分を保つことが大事なことだと思います。
若い頃のように、がむしゃらに生きなくていい。
肩の力を抜いて、人に助けてもらいながら、人生を楽しむことができたら最高です。
「私は私」と割り切り、人と比べたりしないことが本当に大事です。